名古屋にてギエムを思う

結局火曜夜の東京脱出には失敗し、水曜、それも夕方ギリギリの「のぞみ」で名古屋入り。お目当てはギエム。「あれ?土曜もギエムだったんじゃ?」と思った方はThat's right。2度目の本公演来訪です。チケットが地方公演から五月雨式に発売されたために、土曜の埼玉より名古屋を先に押さえてしまってかつダブった名古屋分を売りそびれたからというのもあるんですが、こっちはS席だし、ギエムのボレロはこれで最後だし…ということで。
なんとか時間には間に合って「ギリシャの踊り」からしっかり鑑賞。群舞パートは相変わらず一人一人の動きが微妙にズレてて「むむむ…」なれど、「このランダム性も均一でない海の波の動きを表しているのだろう」と強引に解釈することにした。
しかし驚いたのが名古屋人の鑑賞の姿勢。開演直前まで喋る喋る。2演目めのギエムの「TWO」で、隣のおばちゃんがビニル袋をガサガサガサガサ。ギエムの独演で、殆ど音が無くライトも落とした空間で無機質な動きを楽しむことがミソなこの演目でガサガサガサガサ。響き渡る響き渡る。何考えてんだ!ペットボトルの飲みモンを飲んではりましたのですが。ちなみに袋はパン屋の袋。会場内は飲食禁止だッつうの。。ボレロ後のカーテンコールでは花束もナシに握手を求めて舞台前におばちゃんがワラワラ。カーテンコール、埼玉より1回減ってました。トホホ。挙げ句の果ては終演後「あんまりよくわかんなかったね〜」の声チラホラ。トホホホホ。そりゃねぇよ…な名古屋公演でございました。
肝心の「ボレロ」。ギエムの踊りは相変わらず素晴らしかった。これが見られなくなるのはかなり残念。最後に目に焼き付けようと思いつつ凝視していたんですが、ラスト中のラストで、左の奥から3番目のにぃちゃんが円卓上に上がるタイミングを間違え、なんとフライングして頭が「ピョコ!」と出てしまった。の、NO〜!!私は本作を「メロディ」と「リズム」の完璧なるハーモニーがキモな作品という理解をしてたのですが、これは痛恨。リズムの迫力も心なしか弱く、ベジャールが観たら卒倒すんぞ……な「ボレロ」でした。やはり「奇跡の饗演」の時の「ボレロ」に敵うものはもう観られないのかなあ。。