アオザイで都心爆走「シェ松尾」

ガーリーでしょ

 SASやら野球やら引き継ぎやら飲みやら満載で、たった半月前が2〜3か月くらい前に思える今日この頃。8月30日に特大のイベントがやってきた。ここ10年一緒に苦楽を共にして、「東京のおかあさん」と慕ってくれている後輩UMの結婚披露宴&二次会。半年前に課された私へのミッションは「ブーケとブートニア制作」。それも式&披露宴用と二次会用の2種。さて、責任重大です。
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 まずは予定を調整して、金曜午前〜午後イチを丸空けに。で、朝5時起きで買い付けへ。ただでさえ花の少ない8月。前日・前々日の荒天の影響か、花の種類も量も少ない!髪飾りに使われるのは白のバラ。でもバラの出物が少なく、色モノばっかり…大ピンチ!3時間粘りに粘って、酒、特にワイン好きの彼女のために「ブルゴーニュ」という黄緑かかった白バラを中心に、100本のバラを買ってきた。自宅へ戻って下葉&棘取りをして水揚げ。バラ100本に1本1本作業を施すこと1時間。腰が痛い〜。
 
 ここまで作業してから、二次会用の資材を買い付けして会社へ。挨拶回りと急ぎの作業を終えて、後輩UTと一緒に会社を出たのが10時すぎ。でも、豪雨の影響もろもろで自宅に帰ったのは12時前。雨で疲れてヨレヨレ。スタイルブックを眺めながら1時間だけ仮眠することに。

 仮眠から起き、作業場(キッチン)へ。二次会のブーケはトスしないで持ち帰るとのことなので、長く飾っておけるプリザーブドフラワー*1中心で作ることに。二次会で、UMは彼女のお母さんが結婚式で着た白のドレスを着る。よって、クリームとセピア基調でちょっと懐かしい感じのするものをデザイン。裏テーマ「酒」も、バラの1種を「ブランディ」にすることでクリア。式は11時からなので納品は9時半。ただいま2時。出かける支度を始める8時まではあと6時間。1個作るのに2時間、ブートニアで計1時間、作業は楽勝のはずだったのだけど…。全部の花をワイヤリングしてテープで巻いてかなり丁寧に作っていたら、二次会用のブーケが完成した時点で5時半!やっべぇぇぇぇ!!
 休む間もなく2個目に着手。実はホルダーを使ったブーケを作るのはこれが初めて(!)。ニコライ・バーグマンのウェディング用単発コースに行こうと思ってたのにバタバタで行けなかったので、ほんまもんのぶっつけ本番。マニュアルで大体のバランス感覚と手順だけ確認して、いざ!

 上の写真は6割くらいの出来上がりの図。ここにアクセントとして緑の小ぶりなバラとユーカリポプラスを足して、バランス取って、ブーケの下葉を付けてテーピングして終了したのは何と9時!9時半に渋谷って…あと30分しかないじゃん!しかし電車にドレス姿でブーケ2本をスタンドに差して持ち歩くのは人として無謀。というか天気がヤバくなったらアウトだし…ということで、「40秒で支度しな!」状態でアオザイだけ引っかけて愛車に。この時点で9時10分。まじでやばい…。会場に電話をかけると9時50分までに来てくれれば、写真撮影に間に合うとのこと。逆に間に合わなければ、大事な後輩の結婚式で打ち首モノの大失態。混んでる道を避け、みなみさんが「男だったら惚れたのに」と常日頃言ってくれてた華麗な(?)ドライビングで、アオザイ姿で都心を爆走。何とか間に合わせました…。
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 すぐにそのまま外苑前のサロンKに駆け込んでY君に30分で髪型を何とかしてもらい、会場の「シェ松尾」へとんぼ返り。駐車場へ車を放り込んだら11時。式が始まるがな!こそっとお店の入口から入ろうとすると、目の前に入場直前の花嫁!まずい!と壁際に隠れる。「スマン、UM。肝心の式に入れないや…」と思っていたら、お店の人が、花嫁入場後なら大丈夫入れますよ、と。ちょっと遅れ気味だった人や入りきらなかった人が後ろで立見をしてるようで。かくして、ホントに綺麗なUMの花嫁姿を、一番後ろの端っこ出口横から見守ることに。式は無事に終わって花嫁退場。バージンロードを戻ってきてふと出口を見たUMが、私と目を合わせてちょっとブーケを上げてパッと笑う。逆にあたしゃ泣きそうですよ。間に合って良かった…。
 机に着くと、座席カードの代わりに参席者の名前が入ったジャケット付きのCDが机に。中にはカードが。「新卒の頃から導いて、闘って、見守ってくださったmiz_akさんのブーケを持ってバージンロードを歩けるのが私の誇りです」と。そうこうするうち花嫁が入場して、司会の方の口上の後で今日の式のスペシャルサンクスとして私の名前が。またこっちを見てパッと笑って手を振るUM。アカン、おかあさん目から水が出ちゃうでしょ…。
   
 しかし、さすがシェ松尾。お料理は非常に非常に美味しかったです。オマール海老とサーモンのジュレにはアスパラガスの冷たくてすっきりとしたスープ。ホタテ貝のムニエルには鮮やかな黄色のサフランソース。アイナメポワレには赤いとろんとしたソース。牛フィレ肉にはピリっとマスタードが効いたベルシーソース。メインの食材はもちろんですが、一つ一つのソースが一遍倒な味じゃなくて、味わい深い。美味しいものが大好きで、一緒にしょっちゅう食べ歩きをしてきたUMが選んだだけはあるお料理でした。
 
 食事のあとは、ラウンジへ移動してチェロとピアノによるジャズの生演奏を聴きながら談笑。凄かったのがデザートビュッフェ。女子チームはてんこ盛りのデザートを2皿ずつ食ってました(笑)。ちなみに、この場には新郎と新婦の「席」はなし。彼らは時間中いっぱいいっぱい使って全ての席を回って談笑してました。よくある結婚式ならではのイベントは一切やらず、参席者と語り合うことやもてなすことをテーマとした宴。これまた非常にUMらしくて素敵。
 
 ちなみに上の写真が私が作った2種類のブーケとブートニア。素敵な会の演出に一枚かめて、無事(なのか?)やりとおせてホントに良かった。そのまま2次会もつつがなく終わり、西麻布での3次会ではソフトドリンクオンリーで沈没。はじめこそしっぽりと新郎新婦の話を聞いていたけど、完全に酔っぱらった本社の後輩どもが「昔は近寄りがたかったけど、今のmiz_akさんなら怖くない〜*2」とか言いながら纏わりつくのに「なめんな!」と鉄菱パンチを喰らわせたり、犠牲者になっていたH社Mさんのヘルプを受けて完全に酔っぱらった上司Mの一人語りをウンウン聞いたりしている間に、あっという間に11時過ぎ。20時間以上起きてるため、半死半生で車を駆ってよろよろと自宅へ。爆睡して起きたら翌日夕方になってました。いやあ、疲れた…けど面白かった!
 明日は新しい職場へ初出勤。さて、とりあえず余った花材でアレンジを作って、ご飯でも食うか。

*1:薬剤処理を施した日持ちのするお花。年単位で持ちます。

*2:…えええ、そんなに怖かったのか?